ビーガン、生活の知恵

ビーガンライフ革命と未来への展望

 

 パリオリンピックの閉会式が終了して久しいですが、さまざまな意見や厳しい批評があったようです。

 このオリンピックは、以前の大会よりも、悪魔崇拝の祭典であり、支配層の予告を示す場としての側面が強調されたと考えます。これまでオリンピックを称賛していた人々にも、そのメッセージが明確に伝わったと感じます。

 フランス革命時のマリーアントワネットの斬首を模した悪魔崇拝的パフォーマンスについては、その意図するところは明確ではありませんが、そのパフォーマンスは、時代の変わり目を象徴していると強く感じました。

 今後、パリオリンピック後に起こり得る出来事をビーガンライフの革命という観点から詳しく探究していきます。

 

ビーガンライフ革命について

 

 「ビーガンライフ革命」という名称は、ベジタリアンとビーガンのライフスタイルを融合させたいという思いから誕生しました。しかし、ベジタリアンには多様な意見と段階が存在するため、「ビーガンライフ革命」というよりインパクトのある名前を採用しました。この名前は、パリオリンピックの開会式で披露されたフランス革命時代のマリーアントワネットのパフォーマンスにも影響を受けています。動物性タンパク質を必要とするアスリートの祭典でありながら、植物ベースの食事を提供し、エアコンを使わない環境に配慮した施設は、犠牲になった動物たち*1への抗議と、フランス革命で自由を勝ち取った人々(犠牲になった動物達)のイメージを呼び起こしました。

 ビーガン革命について話す前に、動物愛護団体の活動とビーガンの活動を考慮することが重要です。ビーガンと動物愛護団体の関係を理解することで、現在の賛否両論の原因を明らかにすることができます。以下、ビーガンと動物愛護団体の関係について詳しく説明します。

  • ビーガンは、動物由来の食品を避ける食生活を実践する人々を指します。彼らは肉、乳製品、卵などを摂取しないことで、動物の権利を尊重し、環境保護に貢献しています。ビーガンは、動物愛護の観点からも意識的な選択をしています。
  • 動物愛護団体は、動物の権利と福祉を守るために活動する組織です。彼らは動物虐待の防止、保護施設の運営、教育活動などを行っています。ビーガンは、動物愛護団体と連携して、動物の権利を守るための活動を支援しています。

 つまり、ビーガンは動物愛護の理念を実践し、動物愛護団体と共通の目標を持っています。

 ビーガンと動物愛護団体の活動が密接に関連していることは明らかです。運営側が経費削減のために環境に配慮した持続可能な思想を採用した可能性もありますが、動物愛護団体とビーガンの活動が基盤となり、それが発展拡大の原動力になったと考えられます。

 その前に、まずは動物虐待に立ち向かう動物愛護団体の豊かな歴史について学ぶことが不可欠です。以下では、動物愛護とビーガンの歴史および現状について説明し、多様な人々がビーガンライフを送る際の理想的なライフスタイルについて触れます。

 

動物愛護団体とビーガンの歴史について

 

 動物愛護団体の歴史

 動物虐待に対する抗議活動は長い歴史を持ち、17世紀半ばから存在しています。特に20世紀の後半には多くの動物愛護団体が設立され、21世紀に入るとこれらの団体は抗議活動を強化しました。これらの団体は動物の権利と福祉を守るために努力し、国際的な注目を集めています。動物愛護団体のメンバーの中にはベジタリアンやビーガンが多いですが、彼らは動物の権利と福祉を重視し、動物製品を避ける生活を選んでいます。しかし、全員がベジタリアンやビーガンではないことも事実です。動物愛護団体の歴史に関する詳細は、参照リンクをご覧ください。

www.treehugger.com

 ビーガン主義とは

 起源は、1944年にイギリスでヴィーガン協会(The Vegan Society)が設立され、ドナルド・ワトソン氏によって名付けられたことにあります。近年では、質の高いビーガン向けの食品や衣類が普及し、その実践者数も増加しています。栄養学的観点からも、ビーガンの食事は健康に良いとされ、生活習慣病の予防にも効果があると考えられています。ビーガンライフスタイルは、すべての動物の命を尊重し、犠牲を伴わない生き方を目指します。このため、多くの人がビーガンライフを選択しています。ビーガン主義の起源に関する詳細は、参照リンクをご覧ください。

ヴィーガンの歴史 | 日本エシカルヴィーガン協会

 結論として、ビーガンライフは環境に配慮した持続可能な生活を推進する運動であり、動物の権利を尊重し虐待をなくすことを目指しています。しかし、動物虐待や環境を考慮した持続可能な生活については、まだ解決に至っていません。特に、動物愛護団体の活動は長い歴史を持ち、フランス革命よりも100年以上前から存在しているにもかかわらず、問題は未だに解決されていないのです。

 

動物愛護団体の活動とビーガン革命

 

 動物愛護団体とビーガン革命は、現代社会において重要な役割を果たしています。動物の権利を尊重し、動物製品の消費を避けることで、倫理的かつ持続可能な生活を推進することが、これらの団体と主義の主な目的です。日本国内外での動物愛護法の改正や、ビーガン製品の市場拡大は、この動きが広がりを見せていることを示しています。  動物愛護団体の活動により、特に毛皮を使った製品に対する動物虐待が改善されてきています。フェイクファーの商品が登場し、牛革など動物の皮を使った靴やカバンに代わるビーガンレザーの開発も進んでいます。さらに、これらの製品を取り扱うハイブランドも現れています。また、2020年1月1日、アメリカの3州(カリフォルニア州イリノイ州ネバダ州)では、動物実験を行った化粧品の販売が禁止されました。同年、日本では畜産業界における屠殺時の虐待問題が国会で取り上げられました。私が想像していた以上に、動物の屠殺が残酷な方法で行われているのを目の当たりにしました。屠殺は動物に苦痛を与えずに行うべきだとされていますが、一般的な方法でさえピストルを使用するため、改善の余地がまだまだあると感じます。動物保護団体の取り組みとビーガンライフスタイルの普及は、画期的な成果を達成していますが、更なる進展が求められています。

www.hopeforanimals.org

animals-peace.net

ビーガンライフスタイルの理想の未来

 ビーガンライフスタイルの理想として、無農薬および無化学肥料を使用した家庭菜園から野菜を摂ることが重要です。日本の作物自給率を鑑みれば、ロシアのダーチャのような菜園付きセカンドハウスの導入が日本にも適していると思われます。

 ダーチャは、ロシアや旧ソ連圏で一般的な菜園付きのセカンドハウスを指します。現代のダーチャは、第二次世界大戦後の食糧不足に対応するため市民に土地を提供する運動が始まり、1960年代にフルシチョフ政権によって家族ごとに最低600平米(181.5坪)の土地を割り当てる法律が制定されたことにより普及しました。ダーチャは通常、近隣の都市から車で30分から1時間の距離に位置しており、多くの持ち主が週末だけ利用します。特に夏期には頻繁に利用され、家族で夏休みをダーチャで過ごすことも一般的です。また、日本の自然農法の支持者は、300~500坪の適切な土地があれば、自然農法を用いて自給自足の生活が可能です。平日は通勤や通学のために生活に便利な場所に住み、週末には家庭菜園での作業を楽しむことは、ビーガンライフを実践する上で理想的なライフスタイルと言えるでしょう。

 ダーチャに関する詳細は後ほどご説明いたします。

 しかし、菜園付きのセカンドハウスや自給自足の田舎生活は、日本の現状を法整備、インフラ関連、開発など多角的に見ると、現在は不可能だと考えられます。日本の農家の人口は高齢化が進み、働き世代が少ない状況は、第二次世界大戦後の旧ソビエト連邦の食糧不足の状況に似ていると感じます。今後、1960年代の旧ソビエト連邦のように、日本の国民一家族にダーチャのような土地を与える法制化が求められる時代が来るかもしれません。

 

ビーガンライフ革命と未来への展望

 人口増加と気候変動による食糧不足は、今までの贅沢な肉中心の食事を不可能にし、未来の地球で生きていくためにはベジタリアンやビーガンのライフスタイルが不可欠であるとも言えます。肉食を好む人々は、従来の食生活を維持するために科学的に改変された食品(遺伝子組み換え、クローニング、ゲノム編集された肉、魚、野菜、果物など)や昆虫食をタンパク質源として利用することに注力していくでしょう。最近では、コオロギの消費が注目されています。しかし、これらの方法が環境や人体の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、私はこれらの方法に反対です。

 ビーガンライフの革命とその将来に関しては、20世紀半ばから後半に設立された団体が21世紀に入り発展し、最近ではメディアの注目、コロナパンデミック、オリンピックの開催を通じてさらに普及しました。これらの動きは将来的にも広がりを見せると予想されます。長年にわたり、動物愛護団体やビーガン実践者は抗議活動を通じて改善と認知を促進してきました。今後も、正直かつ正確な実践を続ける人々が増えることで、さらなる認知と発展が期待されます。

 

 

 最近の東京オリンピックでビーガンが注目されたことにより、ビーガン商品の増加やビーガン表示の食品が市場に出現しました。日本におけるビーガンの割合は昨年度で2.4%に上昇し、10年以上前の1%未満から顕著に増加しました。

 パリオリンピックでは植物ベースの食事やビーガン食が世界的な注目を浴び、多くの議論を呼びました。

 これらのトレンドによってビーガンの支持者が増え、広く認識されるようになったことは、まさにビーガン革命と言えます。

今後は、真のビーガンライフを実践する人々が増えることが望まれます。

 

*1:これは、人間の衣食住のために犠牲となった動物たちの霊や、生きている動物たちの悲鳴を表しています。後ほど、犠牲になった動物たちについてシリーズ形式で詳しくお伝えします。